転職して1年余り。仕事が分かってきたからこそ、次の働き方を考えている。

43歳で、20年間勤めた自動車ディーラーを辞めて転職した。

それから1年余り。

最近、また転職について考えるようになった。

ただ、今の会社に転職したことを後悔しているわけではない。

むしろ、転職したからこそ分かったことがたくさんある。

そして少し不思議なのが、仕事が分からなくて悩んでいるのではなく、仕事が分かってきたからこそ、これからの働き方を考えるようになったことだ。

目次

どうしてみんな、こんなに帰るのが遅いんだろう

今の会社に入った頃、周りの社員が遅くまで働いていることが不思議だった。

どうしてこんなに帰るのが遅いんだろう。

段取りが悪いのかな。

そんなことを思っていたのを覚えている。

自分自身は、仕事を楽しめていたわけではないけれど、特別苦しいとも感じていなかった。

まだ入社したばかりだし、これから仕事を覚えていけばいい。

そんな感覚だった。

ところが、お客様を引き継いで、周りと同じように仕事をするようになって、少しずつ理由が分かってきた。

「ああ、こういうことか」

自動車ディーラーで20年間営業をしてきたけれど、法人向けのリース営業は、想像していた以上に複雑だった。

申請、決裁、稟議、社内調整。

ディーラー時代には経験しなかった仕事も多い。

一つの案件を進めるにも、社内で確認しなければならないことがいくつもある。

営業の仕事をしているはずなのに、気がつけば事務処理に追われている。

リースの仕事って、外から見ると何をしているのか分かりにくいけれど、意外と複雑なんだよね(笑)。

段取りではなく、仕組みの問題だった

もちろん、仕事の進め方を工夫することはできる。

優先順位を考えたり、効率を上げたり、自分なりに改善できるところもある。

でも、仕事を理解していくうちに、個人の段取りだけでは解決できない部分があることに気づいた。

申請や決裁が必要なら、その手順を省くわけにはいかない。

社内調整が必要なら、自分一人で完結することもできない。

営業の仕事そのものが、そういう仕組みの中にある。

最初は周りの社員を見て、どうしてそんなに遅くなるのか分からなかった。

でも、自分も同じ仕事をするようになって、ようやく理解できた。

仕事のやり方だけではなく、構造の問題だったんだと思う。

もちろん、部署や担当する仕事によって違いはあるだろう。

ただ、少なくとも自分が経験した仕事では、そう感じた。

入社した頃、若い社員に言ったこと

入社した頃、一年早く入社していた若い社員と話したことがある。

その社員は、

「ただただ時間を忙殺されているようで、何も残らない気がする」

というようなことを話していた。

そのとき私は、

「そんな状況でも、自分に何ができるかを考えて、楽しめるようにモチベーションを上げないと、仕事って楽しくならないよ」

と答えた。

当時は、そこまで深く考えていなかったと思う。

自分もまだ入社したばかりだったし、これから仕事を覚えていく段階だった。

若いから、仕事へのモチベーションの保ち方がまだ分からないのかな。

そんな感覚だった。

それから1年4か月。

今、自分自身が同じように、仕事に時間を取られていると感じている。

あのときの言葉が、自分に返ってきたようで少し可笑しい(笑)。

今なら、何と答えるだろう

もし今、あの社員から同じ相談をされたら、何と答えるだろう。

たぶん、仕事をする時間がすべて無駄になるわけではない、と伝えると思う。

確かに、毎日時間に追われている。

でも、その中で仕事を覚えたり、経験を積んだりしている。

今は何も残っていないように感じても、後から振り返れば、自分の経験になっていることはある。

私自身、20年間のディーラー営業を振り返ると、しんどかったこともたくさんあった。

それでも、そこで積んだ経験があったから、43歳で転職することができた。

だから、今の仕事も無駄ではないと思う。

ただ、時間を忙殺されているという感覚も、今ならよく分かる。

その働き方が、長い目で見て自分に合っているかどうかは、また別の話だ。

体を壊さないことを前提に、半年、一年と仕事を経験してみる。

そのうえで、やっぱり同じ気持ちなら、これからどう働くかを考えてもいいと思う。

新卒で入社した人なら、三年ほど経験することで、その会社で働き続けたいか判断する材料も増えるのではないだろうか。

もちろん、三年我慢しなければならないという意味ではない。

大切なのは、そこで使う時間に、自分なりの価値を感じられるかどうか。

時間は有限だから。

転職したことに、後悔はない

今の会社では、ディーラー時代にはなかった経験をたくさんした。

大きな組織の仕事の進め方も知った。

申請や決裁、社内調整の難しさも経験した。

自動車に関わる営業でも、仕事の仕組みが変われば、働き方はこんなに変わるんだと知った。

そして何より、こうした経験を通して、自分がこれからどんな生活をしたいのか考えるようになった。

だから、全部いい経験だったと思っている。

43歳で転職したときは、もっと大きな会社で働いてみたかった。

収入も上げたかったし、20年間の経験が外の世界でどこまで通用するのか試したかった。

そのときの自分にとっては、間違いなく納得できる選択だった。

今は、あの頃とは生活も、仕事に求めるものも変わった。

だから、また転職を考えている。

でも、今の自分が違う働き方を望んでいるからといって、過去の選択が間違っていたことにはならないと思う。

その時々で、自分なりに考えて、ベストだと思う選択をしてきた。

だから、後悔はしていない。

今すぐ次の会社を探し始めるつもりはない。

まずは引っ越しを終えて、生活を落ち着かせたい。

そのあとで、これからの仕事について考えればいい。

仕事が分かってきたからこそ、今の働き方が自分に合っているのかも見えてきた。

それもまた、転職して得られた経験の一つなのだと思う。

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