43歳で、初めて転職した。
それまで約20年間、同じ自動車ディーラーで営業をしていた。
転職活動中は、
「採用されるか」
ということばかり考えていた気がする。
書類選考に通る。
面接に通る。
内定をもらう。
もちろん、それも大切だ。
でも実際に転職してみると、
内定をもらってから入社するまでに確認しておいた方がいいことも、かなりあった。
仕事内容。
一日の仕事の流れ。
残業。
職場の雰囲気。
教育体制。
給料が最初に振り込まれる日。
求人票を見ているだけでは分からないことは多い。
私は転職して一年ほど経った今でも、
「あれは入社前にもう少し聞いておけばよかったな」
と思うことがある。
この記事では、
43歳で実際に転職した私が、入社前に確認しておけばよかったと思うことを書いてみたい。
転職活動そのものについては、
「自動車ディーラー営業を20年続けた私が、43歳で転職して分かったこと」
に詳しく書いている。
「営業職」だけでは、実際の仕事内容は分からない
私は転職前も、転職後も営業職だ。
だから転職するとき、
「営業なら、ある程度は分かるだろう」
と思っていたところがあった。
でも、実際はかなり違った(笑)。
ディーラー時代は、お客様と向き合っている時間が長かった。
商談をする。
車を提案する。
保険を提案する。
点検や車検の案内をする。
納車をする。
もちろん事務作業もあるけれど、
私の中では、
「営業=お客様と向き合う仕事」
という感覚が強かった。
ところが転職してみると、
同じ営業職でも仕事の進め方はまったく違った。
メール。
Excel。
見積作成。
社内申請。
稟議。
決裁。
社内の調整。
営業ではあるのだけれど、
想像していた以上に、社内に向かって仕事をする時間が長かった。
同じ自動車業界。
同じ営業職。
それでも、こんなに違う。
これは実際に転職して驚いたことの一つだった。
求人票に、
「法人営業」
「既存顧客中心」
「提案営業」
と書いてあっても、
それだけでは実際の一日は分からない。
だから今なら、
面接でもっと具体的に聞くと思う。
「営業担当者の一日の流れを教えてください」
「お客様と接している時間と、社内業務の割合はどのくらいですか」
「見積作成や社内申請は、営業自身がどこまで担当しますか」
「入社後、最初の半年はどんな仕事を担当しますか」
仕事内容を聞くというより、
その会社で自分が朝から夕方まで働いている姿を想像できるところまで聞く。
40代になると、
これまでの経験がある分、
「営業なら、だいたいこんな感じだろう」
と自分の経験で補ってしまう。
でも、その「だいたい」が意外と危ない(笑)。
残業時間は「平均」だけでは分からない
転職するとき、
残業時間を気にする人は多いと思う。
私も気にしていた。
求人票には、
「月平均○時間」
と書かれていることもある。
でも実際に働いてみて思うのは、
平均時間だけでは分からないことも多いということだ。
部署によって違うかもしれない。
繁忙期だけ増えるのかもしれない。
上司によって帰りやすさが違うこともある。
仕事が終われば帰れる会社なのか。
周りが残っていると帰りにくい会社なのか。
そもそも、一人あたりの仕事量が多いのか。
同じ「残業20時間」でも、
その中身は会社によってかなり違うと思う。
だから、
「平均残業時間は何時間ですか」
だけではなく、
「配属予定部署では、普段何時くらいに帰る方が多いですか」
「繁忙期はいつですか」
「休日出勤はありますか」
「仕事が終わった人から帰る雰囲気ですか」
くらいまで聞いてもいいと思う。
40代になると、
給料だけではなく、
自分の時間をどう使えるかもかなり大切になる。
私は転職して、
休日そのものは増えた。
土日祝日が休みになり、
家族と休みが合うようになった。
これは転職して良かったことの一つだった。
一方で、
平日の仕事の時間は想像していたものとは違った。
「年間休日が多い」
と
「毎日余裕を持って働ける」
は、同じではない。
ここも、転職して初めて分かった。
できるなら、入社前に職場を見せてもらう
これは今でも、
「やっておけばよかった」
と思っている。
私は面接のとき、
一瞬、
「職場を見せてもらえませんか」
と聞こうかと思った。
でも結局、聞かなかった。
今なら聞く(笑)。
もちろん、
一度職場を見ただけで、
人間関係のすべてが分かるわけではない。
職場見学の日だけ雰囲気がいい可能性だってある(笑)。
それでも、
実際に働いている人の表情。
社員同士の会話。
電話の雰囲気。
オフィスの静かさ。
上司と部下の距離感。
そういうものは少しくらい感じられると思う。
面接室で採用担当者と話しているだけでは、
実際に毎日過ごす職場の空気までは分からない。
転職して思ったけれど、
仕事内容と同じくらい、
誰と働くかは大きい。
ただ、ここだけは難しい。
人間関係は、
結局入社してみないと分からない部分がある。
ある意味、ガチャみたいなところもある(笑)。
だから完全に見抜くことはできない。
それでも、
見られるものは見ておいた方がいい。
もし職場見学が難しいなら、
面接で、
「配属予定の部署は何人くらいですか」
「年齢構成はどのくらいですか」
「中途入社の方はどのくらいいますか」
「直属の上司になる方とは、入社前にお話しできますか」
と聞くだけでも違うと思う。
40代の中途採用は、思っている以上に「即戦力」だった
私は43歳で転職した。
営業経験は20年以上あった。
でも、
新しい会社に入れば当然、新人だ。
商品も分からない。
システムも分からない。
社内ルールも分からない。
誰に何を聞けばいいのかも分からない。
極端に言えば、
コピー機の使い方だって分からない(笑)。
自分の感覚としては、
完全に一年生だった。
でも周囲から見ると、
43歳。
社会人経験20年以上。
営業経験20年以上。
当然、
新卒社員と同じようには見られない。
ここに、思っていた以上のギャップがあった。
「中途採用なんだから、ある程度できるよね」
という空気を感じることもあった。
こちらとしては、
「いや、この会社のことは何も知らないんだけど(笑)」
と思う。
でも会社側からすれば、
経験者として採用している。
どちらが間違っているという話でもない。
だからこそ、
入社前に教育体制も確認しておいた方がいいと思う。
「入社後の研修はありますか」
「業務を教えてくれる担当者は決まっていますか」
「独り立ちまで、どのくらいを想定していますか」
「中途入社した方は、最初の数か月をどのように過ごしていますか」
40代の中途社員に、
会社がどこまで「新人期間」を想定しているのか。
これは結構重要だと思う。
入社したら、変なプライドは持たない方がいい
これは入社後の話になるけれど、
40代で転職するなら覚悟しておいた方がいいと思う。
年下の人に教えてもらうことは普通にある。
自分より社会人経験が短い人に、
仕事を教えてもらうこともある。
20年以上営業をしてきたとしても、
その会社では相手の方が先輩だ。
最初は分からなくて当然だと思う。
だから私は、
分からないことは聞く。
教えてもらったら感謝する。
できないことを変に隠さない。
それでいいと思っている。
もちろん、
20年間の経験まで捨てる必要はない。
お客様との話し方。
営業としての考え方。
交渉。
トラブル対応。
人との距離感。
そういう経験は、新しい会社でも使える。
最初は新人として教えてもらいながら、
使える経験は少しずつ出していく。
40代の転職は、
「新人」と「即戦力」を同時にやる。
そんな感じなのかもしれない。
給料は「いくら」だけではなく「いつ入るか」も確認する
これは地味だけど、
転職するときには意外と大切だ。
求人を見るとき、
どうしても年収を見る。
年収500万円。
600万円。
700万円。
もちろん大事だ。
でも生活するときに必要なのは、
年収ではなく毎月のお金だ。
会社によって、
給与の締め日も支給日も違う。
前の会社の最後の給料はいつ入るのか。
新しい会社の最初の給料はいつ入るのか。
その間が思ったより空くこともある。
さらに、
賞与はいつから満額の算定対象になるのか。
入社初年度はいくらくらいになるのか。
有給休暇は入社日に付くのか。
半年後なのか。
退職金制度はあるのか。
企業型確定拠出年金などの制度はあるのか。
こういうものを一つずつ見ていくと、
同じ年収でも実際の条件はかなり違う。
特に40代は、
住宅費。
教育費。
保険。
ローン。
家族の生活費。
いろいろ抱えている人も多いと思う。
転職は、
仕事を変えるだけではなく、
家計の流れも一度変わる。
だから私は、
年収だけでなく、
「転職したあとの一年間で、実際にお金がどう動くのか」
まで見ておいた方がいいと思う。
年収より「転職後の生活」を想像する
転職活動をしていると、
条件を比べることが増える。
年収。
年間休日。
福利厚生。
勤務地。
残業時間。
会社の規模。
どれも大切だ。
でも、
一つひとつの数字だけを比べていると、
意外と見えなくなるものがある。
その会社に入ったら、
朝、何時に家を出るのか。
何時に帰ってくるのか。
休日はどう過ごせるのか。
転勤はあるのか。
家族と過ごす時間は増えるのか。
一人でゆっくり過ごす時間はあるのか。
そして、
月曜日の朝に、
どんな気持ちで会社へ向かうのか。
求人票には、
そこまでは書いていない。
私は転職して、
休日は増えた。
家族と休みも合うようになった。
一方で、
残業や仕事の進め方など、
想像していなかったこともあった。
だから今なら、
会社の条件を見るだけではなく、
その会社で働いている自分の生活を想像する。
そこまでやると思う。
面接は「選ばれる場所」だけではない
転職活動中は、
どうしても、
「採用してもらいたい」
という気持ちになる。
特に書類選考で何度も落ちると、
面接まで進めただけで嬉しくなる(笑)。
すると、
相手からどう見られているかばかり気にしてしまう。
どう答えれば評価されるか。
何を言えば印象がいいか。
もちろん面接なので、それも必要だ。
でも今思えば、
こちらも会社を見に行っている。
仕事内容を聞く。
職場を見る。
残業について聞く。
教育体制を聞く。
上司になる人について聞く。
分からないことは確認する。
そこで、
「何か違うな」
と思えば、
入社しないという選択もある。
内定はゴールではない。
その会社で、
翌日から何年も働く可能性がある。
そう考えると、
面接は会社に選んでもらう場所であると同時に、
自分が会社を確認する場所でもある。
43歳で初めて転職して、
私はそこをもう少し意識しておけばよかったと思っている。
それでも、入社するまで全部は分からない
ここまでいろいろ書いたけれど、
結局これも本当だと思う。
どれだけ調べても、
どれだけ面接で質問しても、
どれだけ口コミを読んでも、
入社するまで分からないことはある。
人間関係。
上司との相性。
実際の仕事量。
会社独特のルール。
職場の空気。
そして、
その仕事が自分に合うかどうか。
全部を事前に知ることはできない。
私自身、
転職して初めて分かったことがたくさんあった。
だから、
「絶対に失敗しない会社を探す」
というのは難しいのだと思う。
それよりも、
入社前に確認できることは確認する。
分からないことは質問する。
自分が大切にしたい条件を整理する。
そのうえで、
最後は自分で決める。
それくらいしかできない。
でも、
それでいいのだと思う。
40代の転職だからこそ、入社後まで考えて会社を選ぶ
20代の転職と、
40代の転職は、
少し違うと思う。
40代になると、
これまで積み上げてきた経験がある。
給料もある。
生活もある。
家族がいる人もいる。
だから、
「新しいことをやってみたい」
だけでは決められないこともある。
でも逆に、
20年近く働いてきたからこそ、
自分が仕事で何を大切にしているのかも、
少しずつ分かっているはずだ。
私は43歳で初めて転職した。
そして、
転職して一年ほど経った今も、
自分の働き方について考えている。
転職したから、
すべてがうまくいったわけではない。
「もっと入社前に確認しておけばよかった」
と思うこともある。
それでも、
一度会社の外に出たことで、
分かったことはたくさんあった。
もし今、
40代で転職を考えているなら、
会社名や年収だけではなく、
その会社で働く一日を、
できるだけ具体的に想像してみてほしい。
朝から何をするのか。
誰と働くのか。
何時に帰るのか。
休日はどうなるのか。
そして、
その生活を数年続けている自分を想像できるか。
求人票の条件だけではなく、
その先にある暮らしまで考える。
43歳で転職した私が、
今なら一番確認したいのは、
そこだと思う。
私が20年間勤めた自動車ディーラーを辞め、43歳で初めて転職するまでのことは、
「自動車ディーラー営業を20年続けた私が、43歳で転職して分かったこと」
に詳しく書いています。
同じように自動車業界で働いていて、転職やこれからの仕事について悩んでいる方がいたら、気軽に声をかけてください☺️

