一人暮らしになることになって、部屋を探し始めた。
今住んでいるのは、文京区本駒込。
東京に引っ越してきてから約1年半、家族で2LDKのマンションに暮らしてきた。
でも、一人になった今、2LDKは広い。
そして何より、家賃が高い。
「一人なんだから、もっと家賃を下げよう」
今回の部屋探しは、そこから始まった。
理想は12万円台。
今まで住んできた文京区周辺には慣れているし、正直、この辺りがいいという気持ちはあった。
でも、一人暮らしになるのだから、今までと同じものを求めてはいけないとも思っていた。
家賃を下げるなら、何かは諦めなければならない。
通勤の便利さかもしれない。
街の環境かもしれない。
安心して歩けるという感覚かもしれない。
少しくらい我慢して、違う街に住む。
それが現実的なんだろう。
そう思って、最初はかなり広い範囲で部屋を探した。
でも、実際にいろいろな街を歩き、いくつもの部屋を見ていくうちに、少しずつ考えが変わっていった。
そして最終的に選んだのは、
今の家から約500メートル先のマンションだった(笑)。
一人暮らしだから、できるだけ家賃を下げたかった
最初に東京で部屋を探したときと、今回では条件がまったく違う。
前回は家族で暮らすための家だった。
今回は、自分一人のための家だ。
だから今回は、できるだけ予算を抑えたかった。
一人で暮らすのだから、広い部屋も必要ない。
2LDKから1Kへ。
場所についても、最初から文京区だけに絞らなかった。
千石。
巣鴨。
駒込。
王子方面まで。
物件情報を見て、気になる街は実際に歩いた。
「ここなら家賃を下げられるかもしれない」
そう思って探していた。
ただ、今振り返ってみると、条件では範囲を広げていても、心のどこかではずっと今住んでいる場所を基準にしていたのかもしれない。
「文京区に住んで1年半。実際に暮らして分かった住みやすさと不便なところ」
12万円台と14万円台。たった2万円なのに、全部が少しずつ違った
今回、最初に考えていた家賃は12万円台だった。
一人暮らしなら、それくらいまで下げたい。
そう思っていた。
14万円と聞けば、今でも高いと思う(笑)。
でも実際に12万円台から物件を探して、内見を重ねてみると、少し意外なことに気づいた。
1万円違うと、結構違う。
2万円違うと、もっと違う。
もちろん、家賃が高ければ必ずいい部屋になるという話ではない。
ただ、今回私が見た物件では、その1万円、2万円で何か一つが大きく変わるというより、
部屋の広さ。
建物の新しさ。
階数。
窓からの景色。
周辺環境。
駅までの道。
いろいろなものが、少しずつ違った。
そして、その「少しずつ」の積み重ねが、暮らしたときの満足度をかなり変えるように感じた。
私にとっては、12万円台から14万円台あたりに、その境目があった。
月2万円。
年間なら24万円。
決して小さなお金ではない。
「24万円残るなら、安い方がいい」
そう考える人もいると思う。
それも正しいと思う。
でも私の場合、その2万円を「安さ」だけでは埋めることができなかった。
12万円台から探し始めて、最後に選んだのは14万円台の部屋だった。
最初から14万円の部屋だけを見ていたら、
「一人暮らしで14万円は高すぎるだろ(笑)」
と思っていたかもしれない。
でも、12万円台から実際に見比べていった結果、
「この差なら、自分にとっては妥当なのかもしれない」
と思うようになった。
ネットで分かるのは、物件のことだった
今回の部屋探しで強く感じたことがある。
物件そのものは、ネットを見れば大体分かる。
間取り。
広さ。
築年数。
設備。
駅からの距離。
写真もたくさん載っている。
比較する対象が物件だけなら、多少の違いは自分で納得させることもできる。
「少し狭いけど、まあいいか」
「築年数は古いけど、家賃が安いからいいか」
そんなふうに考えることもできる。
でも、ネットでは分かりにくいものがあった。
街だった。
私は内見のあと、必ず駅まで歩いた
不動産会社には、気になる物件まで車で案内してもらった。
でも、部屋を見終わったあと、私はできるだけ駅まで歩いた。
次の物件が近ければ、その街を歩きながら次の待ち合わせ場所へ向かった。
見たかったのは、物件だけではなかったからだ。
玄関を出て駅まで歩くとき、自分はどう感じるのか。
毎朝、この道を歩いて疲れないか。
ここでいう「疲れる」は、距離や体力の話ではない。
人の多さ。
音。
街の雰囲気。
店の並び。
道路。
すれ違う人。
朝、ここを歩いて駅へ向かう自分。
夜、仕事から帰ってこの道を歩く自分。
それを想像したときに、自分が落ち着いていられるか。
私にとっては、かなり重要だった。
カーテンを開けて暮らせるかも、大切だった
部屋の中で私が気にしていたこともある。
窓だった。
私は、できればカーテンを開けて暮らしたい。
朝になったらカーテンを開けて、自然の光が入ってくる。
それだけのことだけれど、毎日の生活では意外と大きい。
でも、窓のすぐ前に道路があったり、人の視線が気になったり、目の前を建物に塞がれていたら、結局カーテンを閉めたままになる。
いくら部屋の条件がよくても、それでは私にとって少し違う。
部屋を内見するとき、
「ここにベッドを置けるか」
「テレビは置けるか」
だけではなく、
「私はこの部屋でカーテンを開けて暮らせるか」
を見るようになった。
条件は良かった。でも、住みたいとは思わなかった
同じくらいの家賃で、かなりきれいなマンションも見た。
部屋も悪くない。
共用部には、カフェスペースまであった。
ブログを書いている私としては、最初はかなり魅力的だった。
「ここでブログ書けるじゃん(笑)」
と思った。
でも、実際に建物へ行ってみると、少し違った。
思っていた以上に大きなマンションだった。
そして、ファミリー層が多かった。
内見の途中、親子とすれ違った。
子どもから、
「こんにちは」
と声をかけられた。
私も、
「こんにちは」
と返した。
私は子どもが好きだ。
だから、それが嫌だったわけではない。
ただ、その瞬間に少し分かった。
「今の自分が住みたい場所とは違うな」
一人暮らしになった今、私は静かに、落ち着いて暮らしたかった。
正直に言えば、今の自分には、ファミリーの多い大きなマンションで暮らす体力が残っていなかった(笑)。
窓の外を見ても、自分が求めていた景色とは違った。
条件は悪くない。
むしろ、かなりいい。
でも、一気に気持ちが冷めた。
結局、私が選ぶのはカフェスペースじゃなかった。
「ここで暮らしてみたい」と思った部屋
最終的に選んだ部屋を内見した。
部屋に入って、まず思ったのは、
「きれいだな」
だった。
そして正面を見ると、窓の向こうに空と街が広がっていた。
カーテンを開けても、こちらを覗かれるような建物が目の前にない。
少し右を見ると、スカイツリーも見えた。
「あ、いいな」
少しウキウキした(笑)。
この前の夏のことを思い出して、
「ここなら来年、花火が見えるかな」
なんてことまで考えた。
そして、
「これ、ブログのネタにもなるな(笑)」
とも思った。
何より、街はすでに知っている。
今の家から、それほど離れていない。
内見のときにすれ違った住人も、なんとなく距離感がちょうどよかった。
誰かが良いとか悪いとか、そういう話ではない。
ただ、自分がそこにいて違和感がなかった。
それは物件情報には書かれていないけれど、私にとっては意外と大きかった。
部屋がきれいだった。
窓の外が開けていた。
カーテンを開けて暮らせそうだった。
街を知っていた。
建物の中にいても違和感がなかった。
一つ一つは、決定打ではなかったと思う。
でも、それが全部重なったとき、
「ここで暮らしてみたい」
と思った。
一番しんどかったのは、物件探しではなかった
今回の部屋探しで、一番しんどかったことは何だったか。
振り返ってみると、
内見の日程でもなかった。
気になった物件に先に申し込みが入ることでもなかった。
一番しんどかったのは、
「一人暮らしなのに、私は贅沢しすぎなんじゃないか」
と何度も考えたことだった。
12万円と14万円。
1万円。
2万円。
払おうと思えば、払える。
だからこそ迷った。
その1万円、2万円を、自分は本当に使っていいのか。
元妻や娘は、この1万円、2万円の違いで苦労しているかもしれない。
そんなことを考えることもあった。
「自分だけ甘えているんじゃないか」
とも思った。
だから14万円台の部屋を選ぶことは、
「こっちの方がいいから」
だけでは決められなかった。
今でも、
「本当にこれでよかったのかな」
と思うことがある(笑)。
たぶん、この問いに正解はない。
2万円で、何を買うのか
12万円台の部屋を選んで、年間24万円を残す。
それも正しい。
14万円台の部屋を選んで、毎日の満足度を少し上げる。
それも、一つの選択だと思う。
結局、何にお金を払うかは人によって違う。
広い部屋が欲しい人。
駅徒歩3分が欲しい人。
新しい設備が欲しい人。
共用スペースが欲しい人。
そして、家賃をできるだけ下げたい人。
どれも間違っていない。
私の場合は、
静かさ。
窓の外の景色。
カーテンを開けて暮らせること。
落ち着いた街。
慣れた生活圏。
そこにお金を払うことにした。
月2万円で何か一つを買ったわけではない。
全部が少しずつ、自分の求める暮らしに近づいた。
その総合的な満足度に、私は2万円を払うことにした。
これを贅沢と呼ぶのか。
暮らしに払うお金と考えるのか。
今でも、その境目はよく分からない(笑)。
結局、約500メートル先を選んだ
今回、家賃を下げるために、かなり広い範囲で部屋を探した。
いろいろな街を歩いた。
いろいろなマンションを見た。
「少しくらい我慢してでも、違う街に住むべきなんじゃないか」
そう思って始めた部屋探しだった。
でも、最終的に選んだのは、
今住んでいる家から約500メートル先だった(笑)。
散々探して、500メートル。
何をしていたんだという気もする(笑)。
でも、いろいろな街を見たからこそ、
自分が今の街の何を気に入っていたのかが分かった。
便利だからだけではない。
安心して歩けること。
帰ってきたときに落ち着くこと。
街の空気に違和感がないこと。
それらを、私は思っていた以上に大切にしていたらしい。
部屋だけではなく、街を歩いてみてほしい
予算は大事だ。
私だって、できるだけ家賃を下げたくて今回の部屋探しを始めた。
でも、払える範囲の中で最後に比べるものは、家賃だけではないと思う。
もし気になる物件が見つかったら、
部屋だけではなく、その街も歩いてみてほしい。
駅まで歩いてみる。
スーパーを見てみる。
周りの道を歩いてみる。
夜に帰ってくる自分を想像してみる。
そして部屋に入ったら、窓の外を見て、
「ここでカーテンを開けて暮らせるかな」
と考えてみる。
月2万円安くても、自分が毎日落ち着かない場所なら、私にとってはコスパがいいとは思えなかった。
私は、許容できる予算の中なら、
安さだけではなく、
「ここなら安心して暮らせそうだ」
と思える方を選びたい。
ただし、
私はまだ、新しい部屋で暮らし始めてもいない(笑)。
この選択が本当に正しかったのか。
それは、これから分かる。
だから引っ越して、しばらく暮らした頃に、
また続きを書こうと思う。

